K's Review

書きたいこと いろいろ!!

映画【 息もできない 】

f:id:cocohate:20140412205230p:plain 私は 東アジア一帯には 精神的に共通な ”岩盤” が
あると思っている.
”家族” とか ”家族の絆(きずな)” という岩盤だ.

そのバックグラウンドは たぶん
”稲作” に由来していると思う.
だからこの岩盤は もしかすると もっと広く
台湾 / フィリピン / ベトナム / タイ / インドネシア
などにも広がっているかもしれない.
場合によっては 何千年にもわたって続けられてきた 稲作
農繁期の 長く激しい 労働
つかの間の 農閑期の 労働の緩む期間
これらが形作る 緩そうなのに切れにくい ”家族の絆”
愛し合っているというよりも
どちらかというとイガミ合っているような家族なのに
簡単には切れない関係.

アジアで最も 西欧化/アメリカナイズ が進んでいると思われていた日本でも
今 立ち止まってみれば そんなに昔と変わらない 人々の精神構造
今でも 我々の精神は この東アジアの岩盤 の上にあると言っていいと思う.
日本/韓国/北朝鮮/中国 の為政者たちが
どれだけ相手国を 罵っても
われわれは 変わることのない 共通の 精神的岩盤 の上に生きている
のだと思ってしまう.

もし 私の言うことがウソだと思うなら
この映画息もできないの中の人々を見るといい.
......
こんなに激しい暴力は なかったけれど
家族関係は 似たようなものだった.
......
私の家族は
...といっても 私自身
父と母と妹と私 という家族形態から離脱して40年にもなるけれど.
そんな昔 月末の給料日は 家族の修羅場だった.
たいてい 母がヒステリーを起こす.
父の給料が少ないと言って...
言ったってどうしようもないことなのに 怒りだす.
父よりも母のほうが 多くの給料を持って帰っていたのは事実だけれど
たぶん 母が怒っていたのは そのことじゃなくて
毎日の 追いたられるような生活を 恨んでのことだと思う.
最後には つかみあいの喧嘩になってしまうこともあったけれど
何日かすると いつのまにか 元通りの生活をしている.
そんなに憎ければ 別れればいいのに と思っても
いつも そうはならない.
そんな家族だった.

私は こんな家族が 東アジアの そこいら中に あると思っている.
そのことを 監督【ヤン・イクチュン】は
少し暴力的な形で 私たちに示してくれた.
主演格の二人 = ヤン・イクチュンキム・コッピ も良いし
手持ち風のカメラワークも秀逸だ.
超 傑作です!!

Hulu で観ました ]