K's Review

書きたいこと いろいろ!!

映画【エイジ・オブ・イノセンス】

マーティン・スコセッシ監督)

文学 や 演劇 や 映画 で ”ロマンス” といえば
どんなプロットなのでしょうか?
私には 案外シンプルな
しかもルーティンなパターンしかないと
思えてきます.

”違い” と言えば 小さな脚色の積み重ね
その集積による パフォーマンス
さらに それらの背後にある
制作者の 哲学 とでもいうもの なのかな
とも思います.

スコセッシ には それが あるか?
あるいは あったか?
というと それは あったと思います.

本質は 細部に宿る といいますから
その 細部について 言ってみますと
...
オールドでオーセンティックな シネマカラー.
細部まで念入りに作られた 舞台セット
これも 念入りに選ばれた 風景
的確なキャスティング

ダニエル・デイ=ルイス
本質的には ピューリタンなのに
感情の高ぶりに つい それを超えてしまう
役柄を 彼そのもののように...
ミシェル・ファイファー
ニューヨークの名門の出なのに
恋に溺れてしまう役柄を
ほんとうにコケティッシュに...
ウィノナ・ライダー
二人の不倫を知りながら
伝統に生き 伝統を守ろうとする役柄を
それぞれ熱演しました.

スコセッシ が作り上げた箱庭には
オペラとオペラ劇場が ありましたが
そもそも この映画自体が
オペラなのだと言ってもよいし
それならば 映画の中のオペラは
オペラの中のオペラ なのかもしれません.

古典的な恋と
ゆっくり流れる時間と
19世紀後半のコンサバな雰囲気に
耐えることができる方ならば
これは 傑作といえると思います.
ほんとうに 心に残る作品になるでしょう.

なお マーティン・スコセッシ監督 については
次のような Wikipedia による
詳しい解説があります.

【 Hulu で観ました 】