映画【嫌われ松子の一生】中島哲也 監督
”嶽本 野ばら”(たけもと のばら)【下妻物語】は
超現代的な装飾と脚色に 富んでいたけれど
プロットは けっこう平凡だった.
映画【下妻物語】では
その 超現代的な装飾と脚色 については
よく表現できていたけれど
ほんとうに それだけで ”現代” は表現できたのだろうか?
いっぽう ”山田 宗樹”(やまだ むねき)の
【嫌われ松子の一生】は
”松子” の生きた【昭和】や【平成】の匂いも少なく
平凡なテンポの物語だったけれど
画期的なことがあった.
それは 破滅的行動体=”松子” が創造されたことだ.
この ”松子” には 彼女の 革命的な実態を
ほんとうに表現できる舞台が 必要だった.
そして ずっとずっと 現代性とは何か を求め続けていた
”中島 哲也” は その舞台を 作り上げたといえる.
強調色の幻想的な色彩
ショートカットの多用
テンポの良い 場面変換
そして 音楽!!
この舞台の中で ”松子” は 跳ね回り/飛び回り
思いっきり生きて そして死んだ.
(”笙(しょう)” の 調べる というよりは
少し離れて観ている という立ち位置も 良かった.)
ところで この 破滅的行動体=”松子” の
実体というのは 何だろうか.
... 現代に生きる われわれダ ...
と 言ってもイイと思う.
ペラく/浅い 知性
思い込みが激しく
こうと決めたら すぐ行動に移して
あとから これを 振り返ろうとしない.
”松子” は 我々の一部なのだ.
こんな ”松子” を観ていて
私たちは ほんとうに笑えただろうか??
ほんとうに素晴らしい 1本だった.
未見の方には 超オススメです.
[800円のDVDで観ました.
すべてのDVDを800円にしてほしいと思っています.]