K's Review

書きたいこと いろいろ!!

映画 > 鑑賞する前のヒント

映画【上京ものがたり】森岡利行 監督

前に【女の子ものがたり】を観て(ブログ) 【女の子ものがたり】/【上京ものがたり】の Book版なんかを読んでいたら 【上京ものがたり】の映画版 にも興味が出てきて レンタルで借りて 観ました. 【女の子ものがたり】にもあった 西原理恵子の ”西原ワール…

映画【嫌われ松子の一生】中島哲也 監督

”嶽本 野ばら”(たけもと のばら)【下妻物語】は 超現代的な装飾と脚色に 富んでいたけれど プロットは けっこう平凡だった. 映画【下妻物語】では その 超現代的な装飾と脚色 については よく表現できていたけれど ほんとうに それだけで ”現代” は表現で…

映画[ 女の子ものがたり ]森岡利行 監督

描けない女性マンガ作家(なっちゃん). 彼女が 自分のルーツをふりかえるうちに そのルーツを マンガに書こうと思うようになる物語です. 小学生のとき 四国の 田舎町の 新しいお父さんのところに 母と引っ越して来た少女が その町で出会った2人の少女た…

映画[ 瞳の奥の秘密 ]フアン・ホセ・カンパネラ監督

映画の長さだけ 中くらいのサスペンスが ずっとずっと続きます. 1人の若い女性が虐殺され その夫と その事件を担当した検事たちの 25年間が描かれます. 試練を生きる人たち!! 担当検事 その上司の女性検事 担当検事の相棒 虐殺された女性の夫. 彼ら…

アンジェイ・ワイダ【カティンの森】

ポーランドの巨匠=アンジェイ・ワイダ監督の 映画【カティンの森】は そのバックグラウンドの理解なしには 観ることのできない映画ですので あらかじめ 私なりの説明をしておきます. ポーランド は 古くは東ヨーロッパの大国でしたが ドイツ人やロシア人の…

映画【あしたの私のつくり方】

私たちの周りには ひどく人工的な世界が広がってしまっているんだと思う. 家庭でも会社でも学校でも ... その背景は ”高度な現代社会” というヤツだけれど それが最も純粋に現れているのは ”郊外” かもしれない. 郊外のアパーな家庭ならば さらに純粋か…

映画【アトランティスのこころ】

子供の頃 影響を受けた人って どうだろうか?! 私の場合 母が勤めていたから あるいは 母が厳しすぎたから (別の面で 私に対して 本当の興味がなかったから ...) 祖母 の影響が 一番だった. 少し弱い影響ならば 小学校の 3〜5年の担任だった 年のい…

映画【 息もできない 】

私は 東アジア一帯には 精神的に共通な ”岩盤” が あると思っている. ”家族” とか ”家族の絆(きずな)” という岩盤だ. そのバックグラウンドは たぶん ”稲作” に由来していると思う. だからこの岩盤は もしかすると もっと広く 台湾 / フィリピン / ベト…

映画【 ブラックブック 】

オランダ出身の映画監督 = ポール・バーホーベン が 2006年に制作した映画です. 彼は 当時 70才に近く 幼少期に 第二次大戦を経験しているようです. 映画のバックグラウンドは 第二次大戦末期のオランダ. 1人のユダヤ人歌手が オランダ国内の ドイ…

映画【 四月物語 】

大学入学後の四月を スナップショットに撮ると どうなるだろうか? そのスナップショットは 物語 になるだろうか? とても それが 物語にはなりそうになく思われるけれども 岩井俊二監督は それらを物語に変えてしまった. だから この映画にクライマックス…

映画【スイートリトルライズ】

(甘い小さな嘘たち)(矢崎 仁司 監督) 荒井(松任谷)由美 は ずっと ずっと アーバンな人たちに 愛され続けてきましたが この映画は もっとアパー・アーバンな人たち (えっ そんな人たちって いたっけ?) が ターゲットなのかもしれません. もう 最近…

映画【幸せはシャンソニア劇場から】

フランス の 1936年頃を描いた映画です. 素晴らしい超傑作映画【ニュー・シネマ・パラダイス】 の 主役トト の中年期を演じた ”ジャック・ペラン” が プロデュースしています. 【ニュー・シネマ・パラダイス】は イタリア シチリア島の 村の小さな 映…

”ミレニアム” と ”私” !! (1)

【Hulu】で 【ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女】 を 観たのが始まりでした. 大胆な 暴力と性の描写 事件を追う 左翼系?雑誌の 編集者 グロテスクな ドラゴン・タトゥーの女 普通は このような映画のシーンは あまり好きでなくて 落っこちてしまうはずなの…

映画【エイジ・オブ・イノセンス】

(マーティン・スコセッシ監督) 文学 や 演劇 や 映画 で ”ロマンス” といえば どんなプロットなのでしょうか? 私には 案外シンプルな しかもルーティンなパターンしかないと 思えてきます. ”違い” と言えば 小さな脚色の積み重ね その集積による パフォ…

映画 "フライド・グリーン・トマト”

なんて美しくて 感動的な 物語なんだろうか ... Story in Story の形になっていて 倦怠期の女性が 老人ホームを訪れたとき たまたま知り合った老婦人から 昔話を聞くことから始まります. その老婦人の話は 1920年代のことから始まります. 黒人に対…

”カルメン故郷に帰る”

1951年製作の 日本初のカラー映画. 木下恵介監督の演出は 活力 と 遊び に満ちていて 現在でも 古さを全く感じさせない. カルメン役の 高峰秀子 は 活き活きとしてコケッティーで 素晴らしい演技をしている. 出演した人々のキビキビした動き. それに…

映画【ジョゼと虎と魚たち】

田辺聖子 は希代の話し手だ. 源氏物語 も 百人一首 も 私の先生は 田辺聖子 の本だった. 聞き手を捕えて 離すことがない. なのにサラリとして ひつこさ がない. 原作が 田辺聖子 だと知って 驚きました. 大学卒業前の 普通の それでいて 少しピュアでス…

"ウェールズの山"(1995年 )

ブリテン島東部に ウェールズ(国)があって そのある村に イングランド(国)の たった二人の測量隊がやって来ます.山の(丘の)高さを測って それを丘か山か 決めようというのです. この作品を 最後まで見るためには ”山か丘かが映画になるのか?” と自…

木下恵介 の超傑作 ”お嬢さん乾杯!”

私が1才か2才の時に(1949年)に上演された作品. (木下恵介 の作品は 1957年の ”喜びも悲しみも幾歳月” は劇場で観たけれど 好きにはなれなかった. それが彼の作風だと思った.) でも この作品を観て それが思い違いだと すぐにわかった!! このフラ…

映画 ”あの頃ペニー・レインと”

ちょっと興味があって しかもレンタルで ¥200 だったので観ました. 1973年頃の アメリカ音楽シーン. バンドスタッフ と その追っかけの人たち(=グルービー や 記者)のドラマです. 知的で ピューリタンで たった 15才 の 音楽雑誌 ”ローリング・ストー…

映画 ”深呼吸の必要”

3月に 沖縄の サトウキビ刈り のアルバイトに行った 若者 6名+1 の物語です. 私には 2つの サトウキビの記憶があります. 1つは 60年くらい前の 6歳の頃 近くの(岡山市北部の)サトウキビ畑に行って サトウキビを勝手に折って食べたこと. その頃…

ブラッド・ダイヤモンド

原題は ”血のダイアモンド” とでも訳したらいいのでしょうか... この映画をよく理解するためには どうしても必要ですから 背景の説明をしておきます. 1980年代の後半 アフリカ西部の リベリア と シエラレオネ に リビアの カダフィ大佐 の訓練を受…

”ニュー・シネマ・パラダイス”

( 1989年 イタリア映画 )… 映画を愛した人たちのドラマ 第2次大戦直後の イタリア / シチリア の村. そこに映画館があって 映写技師アルフレード がいて... 彼にまとわりつく 少年トト がいる. ( トト は最高にかわいいですよ...) 日本でも…

映画 ”コレラの時代の愛”(2007年)

素晴しい映画です. しかし 40才以前に この映画を観て 十分に理解することは ほぼ無理なように思われます. それに日本では 40才以上の男性が ロマンな映画を観ることは少ないですから あまり話題に上らないかもしれません. でも 適度な年齢の人が観れ…

映画 ”愛を読む人”

(2008年 アメリカ・ドイツ合作映画) 第二次大戦から 少し経った頃の ドイツ. 裕福で知的な家庭の15歳の少年が はるか年上の女性と ふとしたことから知り合い 古びたアパートで肉体関係を結び デートを繰り返します. (この場面は まるでポルノグラ…